いわきからの贈り物プロジェクト
いわきの廃船、カナダで蘇る ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カナダ国立美術館にて

▼いわきの海岸から引き上げられ
  ワシントンD.Cスミソニアン美術館へ


Photo: Yoshio kanno
2004年3月、いわき市の海岸から1隻の廃船を掘り起こした。世界的現代美術アーテイスト蔡國強氏からの依頼によるものだった。廃船を引き上げ、蔡氏に贈るためにプロジェクトチームが結成される。チーム名は「いわきからの贈り物プロジェクト」。十数年前、蔡氏がまだ無名近かったころ、いわき市立美術館で「地平線プロジェクト」と題し、作品を発表した。いわきからの贈り物プロジェクトメンバーは、地平線プロジェクトメンバーが中心となり結成されることとなる。

引き上げた廃船は当初、ポーランドの美術館へ展示されるはずだったが、美術館2階のスペースに展示した場合、約15トンの廃船に対し床が耐えられないことから、ポーランドでの作品発表は断念することとなる。廃船は分割され、いわき市小名浜のコンテナヤードで眠り、出番を待っていた。


2004年7月、ワシントンD.Cスミソニアン美術館にて、引き上げた廃船を使った作品を発表したい・・・と蔡氏からワシントンへの廃船輸送の依頼がくる。コンテナ輸送のため、廃船をさらに切断しコンテナ2基に入れ船便にてワシントンD.Cに送る。

2004年10月、いわきからの贈り物プロジェクトチームは、蔡氏の要請を受けて、渡米。ワシントンD.Cスミソニアン美術館にて廃船の組み立て作業にあたる。チームがワシントンD.Cに到着したものの、船便が思った以上の日数を費やしまだ廃船が到着していない。オープニングの2日前にスミソニアン美術館にやっと廃船が届いた。

切断されている廃船を組み立て、蔡氏のアートとして蘇らせるために許された時間は、36時間。徹夜の作業でようやく完成し、なんとかオープニングに間に合わせることができた。トラベラーと名づけられた廃船の作品は大好評だった。

スミソニアン美術館にて6ヶ月間展示された廃船はその役目を一旦終え、ニューヨークで眠りについた。2006年春、蔡さんから1枚のFAXが届く。カナダの国立美術館で廃船の作品を発表することとなった。またワシントンの時と同様に協力してほしいとのこと。メンバーに伝えると全員が即座に参加するとの返事。蔡スタジオと連絡を密にして詳細を決定。2006年6月3日カナダモントリオールへ旅立った。

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