冒 険 家

    

ベースマネージャーに命を託す

大場  1997年、4回の挑戦で世界で初めて北極海単独独歩横断
     に成功したのは、途中で補給を受け、コンスタントに歩けた
     からです。もう一つの要因は、精神的なものです。
     カナダ、レゾリュートベイのベースキャンプで、ベースマネージ
     ャーをしてくださった志賀さん(福島県いわき市の会社社長)
     の役割がすごくよかったからです。

無線通信の際、「大場さん、頑張ってください」というような言葉を一言も発しなかった。言うことは、「大場さん、日本で飛行機を2回飛ばす分のお金を集めたぞ。もう2回、いつでも飛ばせるよ」。「アルプス発信機で大場さんの位置は衛星を介して常時知っているよ」。常に流れている氷の上を歩いているわけですから、位置が分からなくなると遭難します。でも、それを聞くと安心できます。

志賀さんは、装備を持って来たらすぐ帰国するはずでした。「でも、おもしろいし、心配だから、最後まで見ている」。それで私も、おふくろの腕に抱かれているような、お釈迦様の手の平で遊ばせてもらっているような感じでした。

志賀さんは、いつも、「これは君の旅だから、焦らなくていい。集めたお金も、君が使う金。中止したい時は、いつでもやめていいんだよ。俺のためじゃないんだから」と。だから気が楽になる。すると、自分の状態が客観的に分かるんです。装備がいくら残っている。

あと何日行ける。何日目に補給が受けられる。焦ることはない。そういう時は、うまく体と心が調和して、楽しくなる。気がつくと、1日の歩行距離がすごく伸びているんです。

   「大場満朗」公式ホームページが出来ました。http://www.ohba-mitsuro.com/

私、志賀が「大場さんとの出会いから北極海横断成功までのエピソード」を書きました。
ぜひ、こちらでお楽しみ下さい。